富士塚めぐりの基本情報
江戸時代、庶民の間で富士山を信仰する「富士講」が大流行しました。しかし当時、実際に富士山まで登拝するのは決して簡単なことではありません。そこで考え出されたのが、富士山の溶岩(黒ボク石)などを使って境内に築いたミニチュアの富士山「富士塚」です。頂上まで登れば、本物の富士山に登拝したのと同じご利益があるとされ、江戸市中には数多くの富士塚が築かれました。
現在、東京都内には現存する富士塚が数十基あるとされ、中には江戸時代の姿をほぼそのまま残す貴重なものも。都市の真ん中でミニ登山ができる、知る人ぞ知る散策コースです。
富士塚をめぐるスポット
鳩森八幡神社富士塚(千駄ヶ谷富士)
渋谷区千駄ヶ谷の鳩森八幡神社境内にある富士塚で、寛政元年(1789年)に築造されたと伝わります。都内に現存する富士塚の中でも最古級とされ、東京都の有形民俗文化財に指定。頂上には奥宮も祀られ、富士講の信仰の形を今に伝えます。
品川富士(品川神社)
品川区北品川の品川神社境内にそびえる富士塚。比高約15mと都内屈指の高さを誇り、山頂からは品川の街並みを見渡せます。品川神社自体も文治3年(1187年)創建と伝わる古社で、あわせて参拝したいスポットです。
江古田富士(茅原浅間神社)
練馬区小竹町の茅原浅間神社にある富士塚で、高さ約8m、直径約30mの規模を誇ります。国の重要有形民俗文化財に指定されており、毎年6月30日・7月1日の山開きには多くの参拝者で賑わいます。
十条冨士神社
北区十条にある富士塚。毎年6月30日・7月1日に開催される「お富士さん」の大祭では、露店が立ち並び、富士講の伝統が地域の祭りとして今も受け継がれています。
ベストシーズン・訪問時期
富士塚は屋外にあるため一年を通して見学できますが、多くの富士塚は登拝が「山開き」の期間だけに限定されていることがあります(鳩森八幡神社は基本的に常時登拝可)。6月30日・7月1日前後の山開き期間に合わせて訪れると、お祭りの雰囲気とあわせて楽しめます。
アクセス情報
鳩森八幡神社はJR・地下鉄「千駄ヶ谷駅」・「北参道駅」から徒歩5分程度。品川神社はJR・京急「新馬場駅」から徒歩1分。江古田富士(茅原浅間神社)は西武池袋線「江古田駅」から徒歩10分程度。十条冨士神社はJR「十条駅」から徒歩5分程度です。各神社に大きな駐車場はないため、公共交通機関の利用がおすすめです。
モデルコース例(半日〜1日)
- 鳩森八幡神社富士塚(千駄ヶ谷)を見学し、都内最古級の富士塚に登拝
- 品川神社の品川富士へ移動し、高さ15mの富士塚から品川の街を一望
- 江古田富士(茅原浅間神社)へ移動し、重要有形民俗文化財の富士塚を見学
- 十条冨士神社へ移動し、地域に根付く富士講の信仰に触れる
ルート沿いの寄り道スポットを実際に探す
富士塚めぐりへの道中にも、色々な観光スポットやカフェが点在しています。ひらマップなら、出発地から品川富士までのルート沿いのスポットをその場で検索できます。
まとめ
都心の神社の片隅に、こんなにも本格的な"ミニ富士山"が隠れているとは意外に感じる人も多いはず。富士塚は江戸っ子の信仰心と遊び心が生んだユニークな文化遺産です。次の休日は、都内に点在する富士塚を巡って、プチ登山気分を味わってみてはいかがでしょうか。